Dockerの基本コマンド10選【初心者向け】

はじめに
Dockerコマンドの基本構造
1. イメージのダウンロード: docker pull
2. イメージの一覧表示: docker images
3. コンテナの作成と起動: docker run

はじめに

前回の記事では、Windows、Mac、Linuxの各種OSにDockerをインストールする方法を学びました。今回は、Dockerを使い始めるために欠かせない基本コマンド10選を詳しく解説します。

初めてDockerを使う方でも理解できるよう、各コマンドの使い方や具体的な使用例、オプションの解説などを丁寧に説明していきます。この記事を読めば、Dockerの基本的な操作はすべてマスターできるでしょう。

Dockerコマンドの基本構造

まず、Dockerコマンドの基本的な構造を理解しましょう。Dockerコマンドは基本的に以下の形式で記述します：

docker [コマンド] [オプション] [対象]

例えば、docker run -p 8080:80 nginx というコマンドは：

docker: Docker CLIを呼び出す
run: コンテナを作成・実行するコマンド
-p 8080:80: ポートマッピングのオプション
nginx: 実行するイメージ名

それでは、主要な10個のコマンドを見ていきましょう。

1. イメージのダウンロード: docker pull

docker pullコマンドは、Docker Hubなどのレジストリからイメージをダウンロードします。

基本的な使い方

docker pull [オプション] イメージ名[:タグ]

具体例

# 最新のUbuntuイメージをダウンロード
docker pull ubuntu

# 特定バージョンのUbuntuイメージをダウンロード
docker pull ubuntu:20.04

# PostgreSQLの特定バージョンをダウンロード
docker pull postgres:13-alpine

主なオプション

--all-tags, -a: 指定したイメージのすべてのタグをダウンロード
--platform: 特定のプラットフォーム（例：linux/amd64, linux/arm64）を指定

イメージのタグについて

イメージ名の後に:タグ名を付けることで、特定のバージョンを指定できます。タグを省略すると、デフォルトでlatestタグが使用されます。

主なタグの例：

ubuntu:20.04 – Ubuntu 20.04
node:14 – Node.js バージョン14
mysql:8.0 – MySQL バージョン8.0
alpine – 軽量のLinuxディストリビューション（多くのイメージで利用可能）

2. イメージの一覧表示: docker images

docker imagesコマンドは、ローカルに保存されているDockerイメージの一覧を表示します。

基本的な使い方

docker images [オプション] [リポジトリ[:タグ]]

具体例

# すべてのイメージを表示
docker images

# ubuntuイメージのみ表示
docker images ubuntu

# サイズの大きい順に表示（フォーマットと並べ替えを使用）
docker images --format "{{.Size}}\t{{.Repository}}:{{.Tag}}" | sort -r

主なオプション

--all, -a: 中間イメージも含めてすべて表示
--digests: Digestも表示（イメージの一意な識別子）
--format: 出力形式をカスタマイズ
--no-trunc: 完全なイメージIDを表示（省略せず）

出力の見方

REPOSITORY          TAG       IMAGE ID       CREATED        SIZE
ubuntu              latest    825d55fb6340   2 weeks ago    72.8MB
nginx               latest    605c77e624dd   3 weeks ago    141MB
mysql               8.0       a3b6608898d6   4 weeks ago    546MB

REPOSITORY: イメージのリポジトリ名
TAG: イメージのタグ
IMAGE ID: イメージのID（短縮形）
CREATED: イメージの作成日時
SIZE: イメージのサイズ

3. コンテナの作成と起動: docker run

docker runコマンドはイメージからコンテナを作成し、起動します。Dockerの中でも最も多機能なコマンドで、様々なオプションがあります。

基本的な使い方

docker run [オプション] イメージ名[:タグ] [コマンド] [引数...]

具体例

# Nginxを起動し、ホストの8080ポートをコンテナの80ポートにマッピング
docker run -d -p 8080:80 nginx

# 対話型シェルでUbuntuを起動
docker run -it ubuntu bash

# コンテナに名前を付けて起動
docker run --name my-nginx -d nginx

# ボリュームをマウントして起動
docker run -v /host/path:/container/path nginx

# 環境変数を設定して起動
docker run -e MYSQL_ROOT_PASSWORD=my-secret-pw mysql:8.0

主なオプション

-d, --detach: バックグラウンドで実行
-i, --interactive: STDINを開いたままにする
-t, --tty: 擬似TTYを割り当てる（通常は -it で使用）
-p, --publish: ポートマ