Docker Hubと公式イメージの活用方法

Docker技術を使用する上で欠かせないのが、Docker Hubというコンテナイメージのレジストリサービスです。本記事では、Docker Hubの基本概念から公式イメージの活用方法まで詳しく解説します。

Docker Hubとは
Docker Hubへの登録方法
公式イメージとは
公式イメージの検索方法
1. Webインターフェイスでの検索
2. コマンドラインでの検索
公式イメージのダウンロード（pull）方法
公式イメージの活用例
公式イメージのカスタマイズ
マルチステージビルドの活用
Docker Composeでの公式イメージの活用
公式イメージ使用時の注意点
まとめ

Docker Hubとは

Docker Hubは、Dockerが公式に提供しているコンテナイメージのレジストリサービスです。世界中の開発者がDockerイメージを公開・共有できるプラットフォームであり、GitHubのDocker版とも言えます。

主な特徴：

数百万のコンテナイメージを公開・検索・ダウンロード可能
公式イメージと認証イメージを提供
無料プランと有料プランが用意されている
CIサービスとの連携が容易

Docker Hubへの登録方法

Docker Hubにアクセス
「Sign Up」ボタンをクリック
ユーザー名、メールアドレス、パスワードを入力
登録確認メールに従ってアカウントを有効化

コマンドラインからDockerにログインする場合：

docker login

ユーザー名とパスワードを入力するとログイン完了です。

公式イメージとは

Docker Hubには、様々なイメージが公開されていますが、特に「公式イメージ」と呼ばれるものがあります。これらは、Dockerチームによって管理・メンテナンスされた高品質なイメージです。

公式イメージの特徴：

セキュリティが確保されている
ドキュメントが充実
ベストプラクティスに従って構築されている
定期的に更新される

主な公式イメージ例：

ubuntu
nginx
mysql
python
node
redis

公式イメージの検索方法

Webインターフェイスでの検索

Docker Hubにログイン
検索バーにキーワードを入力
「Filter」から「Official Images」を選択

コマンドラインでの検索

docker search nginx --filter "is-official=true"

公式イメージのダウンロード（pull）方法

イメージをダウンロードするには、docker pullコマンドを使用します：

docker pull nginx

特定のバージョンを指定する場合：

docker pull nginx:1.21

公式イメージの活用例

Webサーバー（Nginx）の起動

docker pull nginx
docker run -d -p 8080:80 nginx

ブラウザでhttp://localhost:8080にアクセスすると、Nginxのデフォルトページが表示されます。

MySQLデータベースの構築

docker pull mysql
docker run -d -p 3306:3306 --name mysql-db -e MYSQL_ROOT_PASSWORD=mypassword mysql

Pythonアプリケーションの実行環境

docker pull python:3.9
docker run -it python:3.9 python

対話式Pythonシェルが起動します。

公式イメージのカスタマイズ

公式イメージを基に独自のイメージを作成するには、Dockerfileを使用します：

FROM nginx:latest
COPY ./html /usr/share/nginx/html
COPY ./nginx.conf /etc/nginx/conf.d/default.conf

ビルドとタグ付け：

docker build -t myapp:1.0 .

マルチステージビルドの活用

複数の公式イメージを組み合わせて効率的なイメージを構築する例：

# ビルドステージ
FROM node:14 AS build
WORKDIR /app
COPY package*.json ./
RUN npm install
COPY . .
RUN npm run build

# 実行ステージ
FROM nginx:alpine
COPY --from=build /app/dist /usr/share/nginx/html

Docker Composeでの公式イメージの活用

複数のコンテナを組み合わせる場合、Docker Composeが便利です：

version: '3'
services:
  web:
    image: nginx:latest
    ports:
      - "8080:80"
    volumes:
      - ./html:/usr/share/nginx/html

  db:
    image: mysql:5.7
    environment:
      MYSQL_ROOT_PASSWORD: example
      MYSQL_DATABASE: myapp
    volumes:
      - db-data:/var/lib/mysql

volumes:
  db-data:

実行：

docker-compose up -d

公式イメージ使用時の注意点

イメージのバージョン管理：latestタグは最新バージョンを指しますが、予期せぬ破壊的変更を避けるため、特定のバージョンを指定することをお勧めします。
セキュリティ更新：セキュリティ修正が含まれる更新は定期的に適用しましょう。
環境変数の活用：多くの公式イメージは環境変数でカスタマイズできます。ドキュメントを確認しましょう。
ボリュームの活用：データの永続化にはDockerボリュームを使用しましょう。

まとめ

Docker Hubと公式イメージを活用することで、開発環境の構築や本番環境のデプロイが格段に効率化します。公式イメージは信頼性が高く、様々なユースケースに対応できるため、Docker活用の第一歩として最適です。

是非、この記事を参考に、Docker Hubの公式イメージを活用したコンテナ開発を始めてみてください。